腰痛の原因は実はたくさんあるのです その②

腰痛の原因は実はたくさんあるのです その②

2018-09-10

こんにちは、レリーフ整骨院の佐々木です。
今回も前回に引き続き、多くの日本人が悩まされている腰痛の原因についてお話します。

腰痛の主な原因
腰痛の原因となりうる障害や病気は非常に数多く存在しますが、大きく4種類に分けることができます。
「1.腰の骨や筋肉といった組織の損傷」「2.神経障害」「3.ストレスや鬱などの心理的な要因」「4.内臓の病気」のそれぞれについて、具体的にどういった病気や障害があるのか、症状や原因の概要と共に一覧表示します。

今回は「3.ストレスや鬱などの心理的な要因」「4.内臓の病気」についてです。

原因3.「ストレス、不安、鬱(うつ)などの精神的・心理的要因」
近年まで、腰痛とは腰の骨や椎間板、神経などの損傷・異常によって起こるものだと考えられていました。
しかしその後の研究によって、腰痛の原因はもっと多様で複雑なものであり、さらに原因不明の腰痛の多くには、多かれ少なかれ精神的ストレスなどの心の問題が関わっていることが判明しています。
こうした腰痛は心因性腰痛症と呼ばれ、ストレスの多い現代社会において多く見られるようになりました。
ストレスや悩みといった心労が重なると、自律神経などの体の痛みを制御するシステムに異常が生じて、通常では感じられない痛みを感じたり、弱い痛みを何倍にも強く感じるようになります。ストレスが解消されない限り腰痛が完治しないため、「慢性的な腰痛」には精神的・心理的な要因が関わっているケースが多く見受けられます。

◆心因性腰痛症
精神的ストレスが原因となって起こる腰痛
【主な症状・特徴】
•検査をしても骨や筋肉などに異常がないことが多い
•一般的な腰痛の治療でも良くならない(鎮痛剤も効きにくく、手術をしても治らない)
•慢性腰痛に多くみられる(ストレスが解消されない限り痛みがいつまでも続く)
•痛む箇所、痛み方、痛みの大きさが日によって変わる
•姿勢や動作に関係なく痛む
•嫌なことを始める前など、ストレスが大きくなる時に痛み始めたり痛みが大きくなる
•一度良くなってもすぐに腰痛が再発する

原因4.「内科的疾患(内臓の病気)」

消化器系の臓器

胃、肝臓、腎臓、子宮などの内蔵器官の病気の中には、症状の一つとして腰痛が生じるものがあります。
一見、腰とは関係のない箇所の障害で腰痛が発生するのは、臓器周辺に発生した痛みが腰にまで響いたり(放散痛)、ある部位の痛みを別の部位の痛みと脳が勘違いしたり(関連痛)、病巣が腰の近くの組織まで広がって痛みをもたらしたりするためです。
内科的疾患は専門的な検査を受けなければ判断できないものばかりです。直接的な原因がわからない腰痛がある場合は、必ず専門医の診断を受け、原因となっている病気の治療を行わなければなりません。

内臓の病気による腰痛の特徴(例)
•安静にしていても痛む。更にどんな姿勢をとっても痛みが楽にならないことが多い
※骨、筋肉、神経などが原因の場合は、動かずに横になっていれば痛みが和らぐことが多い
•夜間、就寝中でも痛む
•腰痛以外に、発熱、寒け、吐き気・嘔吐、だるさ、腹痛、排尿や排便の異常といった内科的症状がある
•1週間以上たっても痛みが全く軽くならない。もしくは徐々にひどくなる
•食事に関連して痛みが発生したり強まったりする(空腹時や食後に傷んだり、食事中は和らぐなど)
•排便や排尿の障害が見られる(排尿時の痛みや血尿など)
•月経(生理)に関連して痛みが強まる
内科的疾患が原因の腰痛は全体の1%ほどです。しかし病気の種類によっては見逃したら命取りになることもあります。腰痛のほかに上記のような症状が見られる場合は、すみやかに医療機関で診察を受けるようにしましょう。

腰痛を引き起こす内臓系の病気
1.消化器系の病気
胃潰瘍・十二指腸潰瘍、胃がん、胃下垂、肝硬変、肝臓がん、膵炎、膵臓がん、胆嚢炎、胆石症、大腸がん
2.泌尿器系の病気
尿路結石、腎盂腎炎、腎周囲炎、水腎症、腎梗塞、単純性腎嚢胞、腎静脈血栓症、腎下垂
3.婦人系の病気
子宮内膜症、子宮筋腫・子宮ポリープ、子宮がん、子宮頸管炎、月経痛(月経困難症・月経前症候群)、月経不順、更年期障害
4.血管系の病気
腹部大動脈瘤
4-1.消化器系の病気
◆胃潰瘍(いかいよう)・十二指腸潰瘍
胃や十二指腸の粘膜が溶けてえぐられたような状態(潰瘍)になる病気
【主な症状・特徴】
•空腹時や食後の腹痛(食事中は痛みが軽くなる)
•背中から腰にかけての痛み(体の左側が傷みやすい)
•40~50歳代に多く、十二指腸潰瘍は30歳代以下に発症しやすい
【主な原因】
•ピロリ菌感染が原因であることが多い。そのほか精神的ストレス、胃液の過剰分泌、ステロイド剤や抗がん剤などの薬物も要因

◆胃がん
胃に発生する悪性腫瘍
【主な症状・特徴】
•空腹時や食後の腹痛(みぞおちあたりが鈍く痛む)。悪化すると食事に関係なく痛む
•お腹の張り、胃もたれ、胸焼け、ゲップ、吐き気
•50~60歳代が患者の約60%を占め、高齢者ほど発症しやすい
【主な原因】
•不規則な食生活、早食い、食べ過ぎ、塩分や脂肪分の摂り過ぎ、熱すぎる飲食物の摂り過ぎ、米飯の食べ過ぎ、焦げた食物、過度の飲酒・喫煙などが危険因子とされる

◆胃下垂(いかすい)
胃の下の部分が正常な位置よりも垂れ下がっている状態
【主な症状・特徴】
•食後の胃もたれ、げっぷ、吐き気・嘔吐、食欲不振や肌荒れ
•食後に下っ腹が膨らむ、お腹の張り
【主な原因】
•胃の周りの脂肪が少ない、腹筋・背筋が弱い(やせ型で長身の人に多く見られる)
精神的ストレスや疲労、暴飲暴食など、胃の消化を悪くする要因が加わると発症しやすい

◆肝硬変(かんこうへん)
肝臓に炎症が起きた部分の細胞が壊れて硬くなり肝臓の機能が低下した状態
【主な症状・特徴】
•お腹がカエルのようにふくらむ(腹水)
•下半身の”むくみ”や”けいれん”
•眼の白目部分や皮膚が黄色くくすむ(黄疸)
【主な原因】
•肝臓の炎症(肝炎)が長期間続いて肝硬変へ進行するケースが多い。肝硬変になるまで20~30年かかるため高齢者に多くみられる。肝炎はC型肝炎ウイルスの感染や過度の飲酒などで起こる

◆肝臓がん
肝臓に発生する悪性腫瘍
【主な症状・特徴】
•お腹の右上の痛みやしこり ・背中や腰の右側の痛み
【主な原因】
•肝炎(肝臓の炎症)→肝硬変→肝臓がんと症状が悪化して発症する「原発性肝がん」と、他の臓器にできたがんが転移した「転位線肝がん」がある。

◆膵炎(すいえん)
膵臓から分泌される消化酵素によって膵臓自体が消化されて炎症を起こす病気
【主な症状・特徴】
•みぞおちから左わき腹にかけての急な激痛。左肩や左背中まで響くことが多く、時には胸や腰にまで及ぶ。痛みは食事をすると強まり、絶食すると軽くなる。また前かがみになると和らぐ傾向がある
【主な原因】
•アルコールや胆石が原因のものが全体の約2/3を占める。体調が悪い時のお酒や脂肪の多い食事のとりすぎがきっかけで起こる

◆膵臓(すいぞう)がん
膵臓にできる悪性腫瘍
【主な症状・特徴】
•みぞおちから左わき腹にかけての痛み
•高齢者ほど多く発症する
【主な原因】
•詳しい原因は不明。「飲酒・喫煙の習慣」、「肉(脂肪)をたくさん食べる」、「慢性膵炎、胆石症、糖尿病などの病気」が危険因子と考えられる

◆胆嚢炎(たんのうえん)
胆嚢が細菌に感染して炎症を起こした状態
【主な症状・特徴】
•食事後の”みぞおち”から右わき腹にかけての急な激痛。痛みは右肩や右背中まで響くことが多く、時には胸や腰にまで及ぶ
•38℃以上の高熱、寒気、吐き気、嘔吐
【主な原因】
•主に胆嚢内に石(胆石)ができて細菌が増殖して起こる。石は、食べ過ぎ、脂肪の摂り過ぎ、肥満、ストレス、不摂生、体質などが原因でできることが多い

◆胆石症(たんせきしょう)
胆のうや胆管内に石(胆石)ができる病気
【主な症状・特徴】
•食事後の”みぞおち”から右わき腹にかけての急な激痛。痛みは右肩や右背中まで響くことが多く、時には胸や腰にまで及ぶ
•お腹の張り、発熱、吐き気、疲れやだるさ、眼や皮膚が黄色っぽくくすんだり濃い茶色の尿が出る(黄疸)、白い便など
【主な原因】
•食べ過ぎ、脂肪の摂り過ぎ、肥満、ストレス、不摂生、体質などが原因でできる事が多い

◆大腸がん(結腸がん・直腸がん)
大腸に発生する悪性腫瘍
【主な症状・特徴】
•血便が出る(肛門からの出血や、血が混じった赤黒い便など)。痔(ぢ)の症状とよく似ていて間違えやすい
•高齢になるほど発症しやすく、特に60歳代から70歳代で多く発見される
【主な原因】
•高たんぱく・高脂肪・高カロリーの食事が大きく影響すると考えられる。飲酒・喫煙、肥満、遺伝、ストレス、大腸の病気、乳がん、子宮がん、卵巣がんなども発症率を高める

4-2.泌尿器系の病気
◆尿路結石(腎結石・尿管結石・膀胱結石・尿道結石)
尿の通り道に石(結石)ができる病気
【主な症状・特徴】
•背中からわき腹にかけての激しい痛み(鈍い痛みだけのこともある)
•冷や汗、吐き気、嘔吐
•尿の異常(血尿が出る、尿の回数が増える、排尿時の痛み、尿が出にくい、残尿感など)
•男性の発症率が高く、30~50歳代に多い
【主な原因】
•尿路の異常などで尿の流れが悪くなったり、水分不足などで尿のカルシウムの濃度が高まると石ができやすくなる

◆腎盂腎炎(じんうじんえん)
腎臓が細菌に感染して炎症を起こした状態
【主な症状・特徴】
•わき腹や腰の鈍い痛み
•おしっこの回数が増えたり(頻尿)、排尿痛や残尿感がある
•高熱、悪寒、ふるえ、だるさなど、かぜによく似た症状がでる
【主な原因】
•膀胱の中の細菌が、尿をするたびに腎臓へ向けて逆流して感染する(膀胱炎、尿道の結石、前立腺肥大、尿道狭窄などの病気で生じやすい)

◆腎周囲炎
腎臓やその周りの組織が細菌に感染し、炎症を起こして腫れ上がる病気
【主な症状・特徴】
•腎臓付近(わき腹あたり)の強い痛み ・発熱
【主な原因】
•腎盂腎炎など、腎臓の細菌感染が見られる病気の影響。細菌で化膿した部位から膿が血液に混じって運ばれてくる場合もある

◆水腎症(すいじんしょう)
腎臓に尿がたまる病気
【主な症状・特徴】
•背中やわき腹から腰、下っ腹にかけての痛み
【主な原因】
•尿路の形の異常、結石、病気による尿路の炎症などが原因で、尿の流れが悪くなることで生じる。妊婦に発症することもある

◆腎梗塞(じんこうそく)
腎臓の動脈がふさがって血液が流れなくなり、腎臓の一部または全部が壊死してしまう病気
【主な症状・特徴】
•腰から背中にかけての痛み ・血尿や尿の量の減少
【主な原因】
•心臓の病気や不整脈によってできた血栓(血の塊)が、血管内を流れて腎動脈につまる。動脈硬化も危険因子

◆単純性腎嚢胞
腎臓に1個~数個の「嚢胞」と呼ばれる液体の入った袋ができる病気
【主な症状・特徴】
•腰やわき腹の痛み、高血圧、血尿
【主な原因】
•原因不明。歳をとるほどできやすくなり、50歳以上の人の約半数に見られる

◆腎静脈血栓症
腎臓の静脈に血の塊(血栓)ができて血液の流れが悪くなったり血管が詰まってしまう病気
【主な症状・特徴】
•尿の異常(尿の量が少ない、全く出ない、血尿やたんぱく尿など)
•腰や背中の痛み、発熱
【主な原因】
•血液が固まりやすくなる「ネフローゼ症候群」、血液の病気、病気による血管の障害、動脈硬化など

◆腎下垂(遊走腎)
腎臓が本来あるべき場所よりも下に移動してしまっている状態
【主な症状・特徴】
•腰やわき腹の鈍い痛み(横になると和らぐ)
•胃のむかつき、食欲不振、吐き気
•尿の異常(血尿やたんぱく尿がでる、尿があまり出ない、出にくい)
【主な原因】
•腎臓の周りの脂肪が少ない、腎臓につながる尿管や血管が生まれつき異常に長い、腹筋・背筋が弱い(やせた女性に多く見られる)など

4-3.婦人系の病気1(子宮の病気)
◆子宮内膜症
子宮の内側にできる膜「子宮内膜」が、子宮以外の場所にもできる病気
【主な症状・特徴】
•とても強い月経痛(生理痛)。下腹部や腰が激しく痛み、頭痛や吐き気、のぼせ、むくみ、貧血などを伴う
•30~40歳代の女性に多くみられ、不妊症の原因になることもある
【主な原因】
•詳しい原因は不明。月経時に子宮内膜の組織が混じった血の一部が逆流して起こると考えられる

◆子宮筋腫・子宮ポリープ
子宮内部にできる良性の腫瘍
【主な症状・特徴】
•生理期間外の性器からの出血(不正出血)
•生理時の出血量が異常に多い(過多月経)
•30~40歳代の女性に多くみられる
【主な原因】
•詳しい原因は不明。女性ホルモン「エストロゲン」が関係しているとみられる

◆子宮がん(子宮頸がん・子宮体がん)
子宮にできる悪性腫瘍(がん)
【主な症状・特徴】
•月経期間外の性器からの出血(不正出血)
•セックス中の性器からの出血  ・貧血 
•おりものの異常(量が増える、臭う、血が混じるなど)
•子宮頸がんは20~30代の若い世代で増加しており、子宮体がんは50~60歳代の閉経後の女性に多い
【主な原因】
•子宮頸がんはウイルス感染によるものが多く、性行為によって感染する。子宮体がんは女性ホルモン「エストロゲン」が長期間分泌されると発症しやすい

◆子宮頸管炎
子宮の出入口の細菌感染で炎症が発生する病気
【主な症状・特徴】
•おりものが増える(白またはやや黄色い)
•激しい腹痛や腰痛
【主な原因】
•膣の炎症が子宮頸管にまで広がるケースや、性交時、出産時、妊娠中絶手術時などに傷口から細菌感染

4-3.婦人系の病気2(月経・生理関連)
女性の場合、「月経(生理)中」や、月経が終わる50歳前後の「更年期」は、女性ホルモンのバランスが大きく変化します。その影響で心と体に様々な不快症状が現れます。腰痛もよく見られる症状の一つです。
◆月経痛(生理痛)・月経困難症・月経前症候群
月経時に起こる様々な不快症状
【主な症状・特徴】
•頭痛、腹痛(胃痛)、腰痛、肩こり、乳房の張りと痛み
•むくみ、冷え、めまい、のぼせ、貧血、吐き気、嘔吐、便秘、下痢
•イライラ、憂うつ、焦燥感、怒りっぽい、集中力の低下(注意力散慢)、情緒不安定
【主な原因】
•月経(生理)が始まって女性ホルモンの分泌が増えたりホルモンバランスが変化するため。更に疲れやストレスが重なると症状が悪化する

◆月経不順(生理不順)
月経に様々な異常が生じるもの
【主な症状・特徴】
•「月経周期」や「月経の続く期間」が極端に短い、または長い
•月経時の性器からの出血が極端に少ない、または多い
【主な原因】
•体内の女性ホルモンのバランスが崩れることで起こる。月経が始まる時期(思春期)や終わる時期(更年期)、疲れやストレスがたまっている時などにバランスが乱れやすい

◆更年期障害
50歳前後で月経が終わる「更年期」を迎えると、女性ホルモンの変化で心身につらい症状がでる
【主な症状・特徴】
•頭痛、めまい、耳鳴り、肩こり、腰痛、動悸、肌荒れ、肌のほてり、むくみ、のぼせ、発汗、手足の冷え
•イライラ、気分の落ち込み、不安感、不眠、蟻走感
•生理がこない、生理が遅れる、生理周期が不安定になるなどの「月経異常(月経不順)」
•月経の終わる「閉経」を迎えた50歳前後の女性に起こるが、疲れやストレスによって20~30歳代の若い女性にも見られる(若年性更年期障害)
【主な原因】
•閉経後の更年期(50歳前後)の女性ホルモンの減少

4-4.血管系の病気
◆腹部大動脈瘤
腹部の大動脈の一部がふくらんで瘤(こぶ)のようになる病気
【主な症状・特徴】
•腰から背中にかけての痛み
•50~60歳前後の中高年の男性に多い
【主な原因】
•大半は動脈硬化が元で起こる。動脈硬化の主な原因は、コレステロール値や中性脂肪値が高い、糖尿病、高血圧、高脂血症、運動不足、ストレス、肥満、喫煙、加齢など

内臓の病気による腰痛は、専門医による治療が必須になる場合がほとんどですので、以上の症状で気になるものがある方は早期に専門医に相談するようにしましょう。


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